お客様に求められていることを自然とサービスできるパーサーに

福地 このみ(パーサー)※取材当時。現チーフパーサー

東京列車営業支店。2016年入社。国際コミュニケーション学科卒。幼い頃から列車のワゴン販売に興味があった。旅で感じるわくわく感を仕事でも体感したいと熱望する中、『新幹線ガール』という書籍でパーサーの仕事を知り、この世界に飛び込んだ。

効率良く車内状況を見極め一人でも多くの方への接客を目指す

旅行が大好きで、子どもの頃は家族旅行で乗った列車のワゴン販売で、何かを買ってもらうのが楽しみでした。パーサーという仕事を具体的に知ったのは大きくなってからですが、今は自分があの頃感じたような喜びを提供できるよう、仕事に励んでいます。

乗務の際、マネージャー、サブマネージャー、ワゴン販売という風に分かれるクルーの中ではワゴン担当が多いですが、サブマネージャーの役割を担うことも増えてきました。サブマネージャーはワゴン担当とマネージャー業務の間のような立ち位置。クルーの人数次第ではワゴンも担当しますし、トレイ販売でお客様のニーズに合わせた商品を持って車内を巡ることもあります。そのほかにも商品管理、またお弁当の売り切れ品があれば途中で請求するといったことなど、幅広い仕事をこなします。車内販売は時間との戦いです。接客を疎かにしてはいけない反面、効率も考えなければ接客人数にも影響してしまいます。サブマネージャーにはワゴンを出すタイミングや、車内状況を見てどの車両から販売を開始するかの判断が任されています。混雑時には車内状況を見て接客をカバーするといったことも必要ですし、常に的確に状況判断できるよう、集中して仕事に取り組んでいます。

商品構成や接客を通じて得られるワゴン販売の喜びと達成感

新人はアシスタントパーサーとして乗務をスタートし、OJTでパーサー業務を学んでいきます。最初は誰もがワゴン販売から始まりますが、慣れないうちは準備に時間がかかり、品川駅でようやく販売開始ということもありました。商品の搭載数は基本形がありますが、どんな商品をどれだけ搭載するかはパーサー次第です。先輩から学びつつ、毎日の乗務を繰り返すうちに朝ならコーヒー、夜はアルコール、お客様はこんなお土産を欲しがっているといったことを体感して販売の勘を養っていきます。今は優先順位をつけて準備を済ませられるようになり、東京駅を発車すればすぐにワゴンを出し、一人でも多くのお客様にサービスを提供することを心がけています。

会社としての売り上げ目標はありますが、それ以外にも自分で「今日はこれを売ろう」という目標を立てて達成していくのも喜びです。自分が売れそうだと思ったもので結果が出ると嬉しいですね。限定品をおすすめして感謝していただくこともあり、販売を通して得られるコミュニケーションと喜びはとても大きいです。

さらなる成長のために必要な広い視野と的確な判断力

目指しているのは、常にお客様が求めていることを自然にこなしていくことです。あるとき缶の飲み物を欲されているお客様に出会いましたが、それは飲むためではなくて、熱っぽいお子様を冷やすためでした。このときは多目的室のご案内をしましたが、お客様が発する言葉やなにげない仕草から何をどこまで読み取れるかが、パーサーにとっては大事だと思います。お客様に少しでも快適に過ごしていただけるよう、会話を逃さず、ニーズを把握し、それに的確に応えていけるパーサーでありたいと思っています。

ここからさらに成長するためには、視野を広く持って指示を出せるようになっていく必要があります。混んでいる時間帯になると忙しく、周囲が見えなくなりがちなのですが、客観的になってサービスしたり、周囲にも指示を出したりといったことができなければ上のレベルにはいけません。車掌業務についても勉強中ですが、机の上で学ぶだけではなく、先輩の話を聞き、自分で経験を積み重ねて多くの引き出しを作っていきたいと思います。