お客様との『歓びの瞬間』接客プロ発表会 優秀者インタビュー

ジェイアール東海パッセンジャーズ(JRCP)では、質の高い接客を追求し、社員同士が高め合う場として「接客プロ発表会」を毎年開催しています。

大阪・東京の各支店からそれぞれ4名の出場者が推薦で選ばれ、「歓びの瞬間」「ピンチをチャンスに変えたこと」「リピーターになっていただくために」といったテーマで発表を行います。

各支店の優秀者は、その後JR東海、JR西日本、JR九州との合同発表会へと出場することに。合同発表会には、車掌や清掃スタッフ等、お客さまと接することのある幅広い職種から出場者が集まります。

今回は、入社1年目にして「接客プロ発表会」で優秀者となり、今後JRCPのパーサーの代表者の一人として「九州・山陽・東海道新幹線合同接客プロ発表会」にも出場予定の、長谷川さんにインタビューを実施。接客を通じたお客さまとのエピソードやテクニックについて聞かせてもらいました。

長谷川由真(アシスタントパーサー/大阪列車営業支店 所属)

2021年入社。国内外問わず多種多様なお客さまが利用する新幹線での仕事に憧れ、パーサーに。趣味はK-POPを聞くことや、友人と韓国料理を食べにいくこと。

お客さまを第一に考え、ときには柔軟に

私にとっての歓びの瞬間は、お客さまが言葉や表情で感謝の気持ちを伝えてくださる瞬間です。「笑顔が素敵ね」と声をかけてくださる方、疲れていても笑顔で挨拶を返してくださる方、新幹線を降りる際に満足そうな表情をしていらっしゃる方など、お客さまの声や表情からたくさんの歓びをいただいています。1日のお仕事が、あっという間に感じる毎日です。

特に印象に残っているのは、上り列車でお客さまから「お土産にアイスクリームを4つ持ち帰りたい」とご注文を受けたときのこと。そのお客さまは新横浜で下車される予定で、降りる直前に購入したいとのことでした。

通常、上り列車では新横浜駅に到着するころにはワゴンの片付けをしなければなりません。それでも、どうにかお客さまに、極力凍った状態でアイスクリームをお届けしたいと思い、マネージャーに相談しました。結果的に「片付けはみんなで手伝うから大丈夫。お客さまに良い状態でアイスクリームをお持ち帰りいただいて」と言ってもらい、無事に新横浜到着ギリギリでお渡しすることができました。

お客さまからも、「新幹線のアイスクリームが大好きだから助かった、ありがとう。」と言っていただき、とてもうれしかったことを覚えています。仕事をするうえで、普段の決まりごとを守ることはもちろん大切ですが、お客さまのことを第一に考え、柔軟に行動することの大切さを学びました。

丁寧な接客が、新幹線内の空気を変える

ピンチをチャンスに変えた経験で印象に残っているのは、遅延で乗車率120%となった満員の新幹線車内でのサービスです。列車が大幅に遅れ、疲れ切っている方、楽しみだった予定が変更になりがっかりされている方がいらっしゃり、お怒りのお客さまもいるのではと、ワゴンを押すことに恐怖を感じていました。

そんななか、先輩方に「ゆっくり落ち着いて」と声をかけてもらい、まずは安全を第一に、お客さまのことを考えて乗務しました。いつもよりピリッとした空気だからこそ、普段以上にゆっくりと稼働し、満席のお客さま一人ひとりに丁寧なアイコンタクトをするよう心がけました。

すると、たくさんのお客さまが商品を求めてくださったのです。あまりの売れ行きに足りなくなってしまった商品もありましたが、代わりの商品をご提案すると非常に喜んでいただけたことを覚えています。

緊急事態ならではの緊張感と、その状況を乗り越えることに対してのやりがいを感じるできごとでした。疲れているお客さまが多く、いつもより車内の雰囲気も重かったなか、私のお声掛けによって新幹線内の空気が少しでも軽くなったと感じていただけていたらうれしいです。

まずは目と耳で、良い印象を届けたい

リピーターになっていただくために心がけているのは、第一印象です。「メラビアンの法則」によると、第一印象は視覚と聴覚による3秒で決まると言われています。この法則は、専門学生時代に教わりました。

「視覚」の面では、目の表情や姿勢、立ち居振る舞いを大切にしています。お客さまと同じ目線になるために腰を下げ、マスク越しでも伝わる笑顔で接客をするよう意識しています。スムーズで丁寧な商品提供も、印象に影響を与える大切な要素です。

「聴覚」の面では、声の使い方を意識しています。どんなお客さまも聞き取りやすいよう、声をワントーン上げて、笑顔が感じられる発声を意識しています。たとえば、お子さまには「新幹線グッズもございますよ!」と元気にお伝えしたり、ビジネス利用のお客さまには「ワインと一緒におつまみはいかがですか?」と、上品にお伝えしたり。ご年配のお客さまには、「コーヒーと一緒にアイスクリームはいかがですか?」と、ゆっくり、はっきりした声で伝えるなど、少しずつ工夫しています。

このように、視覚と聴覚の2つのポイントを意識して接客することで、お客さまに良い印象を持っていただき、また乗りたいと思っていただけるよう努めています。

学びを積み重ね、頼れるパーサーに

まだまだ経験は浅いですが、入社してからこれまでに学んだことがたくさんあります。

まず、アイコンタクトの大切さ。
お客さまに声をかけていただくには、きちんと目を合わせることが重要です。当初は緊張して、お客さまの目をなかなか見られなかったこともありましたが、最近少しずつ、自信をもってアイコンタクトをとれるようになってきました。

もうひとつは、商品知識を自分のものにすること。
当たり前のことではありますが、知識がなければお客さまに満足いただける商品をご提案できませんし、販売機会を逃してしまうことにもつながります。今後も、着実に知識を増やしていきたいです。

そして最後に、チームワークです。
一緒に乗務していると、先輩・後輩関係なくカバーし合う瞬間があり、これはパーサーの仕事の大きなやりがいのひとつでもあると感じています。一人の力だけでは難しいことも、クルーの協力によって実現できることがあるのです。今後も先輩の姿をよく見ながら、仲間の役に立てるような存在を目指したいと思います。

今後は、お客さまのためにできることを増やせるよう、車掌業務資格の取得も目指しながら、これまで以上に周りを見て行動できるパーサーになりたいです。そして、私にもいよいよ後輩ができるので、この1年で学んだことはもちろん、身にしみて感じられた販売の楽しさを、どんどん伝えていけたらと思います。